トーン&マナー

 書庫の整理が進まず、やっと一回目のエントリです。半年くらいかかりそうなんで、余命幾ばくもない身ながら(ジョークですよ^^;)、のんびりやっていくとしましよう。

 乱暴に書棚に突っ込んでいた書籍の数々、単行本はジャンル別に整理しているが、文庫本は数が違うのでなかなかそうはいかん。まあ、それでも最多時の十分の一くらいの量だけど。分類の頼りは装丁で出版社別の特徴、著作者特有のデザイン、それプラス長年の勘で大雑把に仕分けし、それを一冊一冊確認していくという、まさに半年仕事ペース。
 そうした作業中、ふと目に入ったのがこの一冊。
 

孔雀狂想曲 (集英社文庫)

孔雀狂想曲 (集英社文庫)

 著者北森鴻は鮎川賞作家。1999年に第52回日本推理作家協会賞・短編および連作短編集部門を受賞したが、2010年48歳で急逝した。本作は骨董店雅蘭堂を舞台にした連作短編で、描かれるのはほのぼのとした世界ながら、見事な本格ミステリとして完成している。実は北森には骨董店冬狐堂を舞台にした別シリーズもあるのだが、今回はスルー。いや、この雅蘭堂シリーズ、本来ならもっと書き続けられるはずだったのに――とひととき感慨にふけったのだが。
 あれま、あるはずのない二巻目を本雪崩の中から見付けちまったんだよね。
  いや。タイトルを見ただけで、すぐに勘違いとわかりますけどね(蔵書整理に喘いでいるおれにとっては身近な内容なんだけど)。でも、この装丁、ぱっと見にはよく似てるよなあ。クリーム色の地色にイラストは杉田比呂美さん。一瞬期待したもんだから疲労感はいや増すという。半ば愚痴のようなエントリでした。
 あ、タイトルの「トーン&マナー」の意味を説明する気力がもうないんで、興味ある方は調べてみてくださいな。